第8話 自己責任と取捨選択

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心の中で叫んだら、 泣きたい衝動がもう止まらなかった。 けれど、こんな場所で冷め覚め泣ける程世間知らずでもないし、 あくまでも仕事中の彼を困らせる訳にはいかない。 だから、お願い倉坂さん、 私にも気を配って、 こっちを見て話して。 あの特別な目で私を見てくれたら、少しはこのかなしさも落ち着くのに。 けれど、願いは虚しく、 結局倉坂さんは私に近寄る事なく、話題を振って構ってくれるでもなく、常連さんを大事に接客していた。 飲みすぎな私への配慮も今日はない。 気遣ってくれるのは、リクさんや初めて会った常連さん達で、 あんな事がなければきっと普通に楽しい空間だったのかなとか、いろいろ思考が巡る。 「真実さんは彼氏とかいないの??」 「えぇ~?いまぁ? いないですよー。絶賛独り身でーすwww」 体を支配するアルコールは呂律すら危うくさせる。 ヘロヘロになりながら、カウンターにもたれる私の体を気遣いつつ、リクさんは自分のお酒も追加する。 「へぇー、作ろうとも思わないんですか??」 「うーん? 欲しいとは思うけどねぇー。どうだろうー。誰かいい人いないかなぁ。リクさん誰か紹介してwww」 「え、真実さんにぃ? なんか難しそー。」 「難しいってなにさー。 私全然厳しくないよぉー。 寧ろ自由なお付き合い希望だしw」 「なんすか、彼氏彼女の自由なお付き合いってw」 「性格わかればあんま束縛とかしないしぃー。私もあんまりされたくないしー。」 「つまり、まだ遊びたいんすね」
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