第8話 自己責任と取捨選択

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どうしよう、 どうしたら、今の事を払拭できる?? 倉坂さんに軽蔑されて嫌われたかもしれない。 焦って何とか挽回の術を考えるけど、何も思いつかない。 また、普通に他のお客さんへの接客に戻った倉坂さんを横目で見ながら残りのコロナを流し込んだ。 あぁ、でも 倉坂さんは私がリクさんとどこかに行ってもいいんだ。 寧ろお店に迷惑という意味合いの言葉が大きかった。 何も私に対しての気持ちを感じない言葉と口調だった。 一昨日の出来事は 気持ちは空っぽで体だけの事だったんだ。 むざむざと実感してしまった。 あんなに情熱的に抱いてくれたなら少しくらいは、私の事を好いてくれているんじゃないかって。 自惚れも良いところだ。 だめだ、心が痛みすぎて悲しすぎて、此処にはいられない。 いたくない。 なのに、 それでも、最後まで残っていたら、 何かしら倉坂さんから、リアクションがあるんじゃないかって。 ネジが外れてしまったような私の頭はどん底から、何とか前向きなものを見出そうとしてる。 ここで逃げてしまったら、 もう来れない気がして、 まだ何も話していない私の心は それだけは嫌だと主張する。 グルグルと回る思考に気分も悪くなりそうだ。 「カオルちゃん、白ワインお願いします。」 「はい、ありがとうございます」 けれど、状態とは矛盾して 私の口は次のドリンクをオーダーしていた。
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