‡夜に来た頭蓋骨‡

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何だろう、どこから聞こえてくるんだろう。 不安に思いながらじっと息を潜めているその間にも、音は段々と大きくなって響いてくる。 カチカチカチカチカチカチカチカチ………… やがて、怖さでジッとしてるのに耐えられなくなった母は、勇気を出してそっと身を乗り出すと恐る恐る周りを確認した。 すると、 「……?」 家があるのとは反対の方向、広い通りがある方角から、何か青白く光る小さな物体が近づいて来ているのがわかったそうです。 あれは、何だろう……? そう思いながらも隠れるようにしながら暫く見ていると、 「――!」 それが、骸骨、人間の頭部の骨だとわかった。 頭蓋骨だけが、砂利の道をカチカチカチカチと音を立てながら近づいて来ていた。 それに気がついた母は、下げたズボンやパンツもまともに戻せないまま逃げるようにして家の中へと駆け戻っていった。 「お母ちゃん、外にガイコツの頭歩いてた!」
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