‡夜に来た頭蓋骨‡

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家に入ってすぐ、中にいた親へ報告をするも 「何また馬鹿なこと言ってんの! そんなんいるわけないでしょ、便所行ってきたんならさっさと寝なさい!」 と、信じてもらえるわけもなく一蹴されてしまう。 そんなわけない、今間違いなくガイコツが頭だけで動いてた。 そう胸中で思う母は、そっと玄関を開けてもう一度外の様子を確かめる。 (……あれ?) しかし、そのときには既に青白い骸骨の姿はどこにもなくなっていた。 と、これだけで終わればそれはそれで良かったのですが。 翌日の朝。母が目を覚まして家の中にいると、突然近所に住むおじさんが血相を変えたように駆け込んできた。 「おい、大変だぞ、便所ん中に人の頭蓋骨が落っこってる!」 それを聞いた母は家族と一緒にトイレへ行くと、おじさんが言った通り落下式トイレの中に、人間の頭蓋骨だけが落ちているのを見たそうです。 「たぶん、野良犬がどっかから掘り起こして持ってきたんだろうな」
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