第4話 カタメの世界 2

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※ すっかり日が暮れ、賑やかになっている東門街の裏。 生田神社からすぐの、花房診療所に、がんがんと外から扉を打つ音が響いた。 「大丈夫だよ」と向かいに声を掛け、よっこらしょと、花房医師は大きな尻を上げる。 短い廊下を進み、扉の鍵を開け、大きく口を開いた。 「ちょっと! もうちょっと静かに!」 竹山は「すいません」と言って、花房医師に頭を下げる。 「早く入って、鍵閉めて。もう、怯えちゃうでしょ」 中に入り、言われた通りにする。 竹山が、花房診療所に来るのは、一月振りだった。 「怖がらせないでよね」と言われ、靴を脱いでから、後に続き診察室に入った。 中に居る姿が見え、口を開ける。 きゃあっと言って、制服姿の女の子は立ち上がった。
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