第4話 カタメの世界 2

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「……俺は、あいさつしようと思っただけで」 隣に居る花房医師に睨まれ、竹山が慌てて言った。 「ごめんね、驚かせて。この人、見た目はこんなんだけど、ヘタレだから」 そう言って、花房医師は女の子に近づき、竹山はその場から動けなかった。 「なんで、松波さんじゃなくて、あなたが来るの」 「……松は、別件で、もう大阪に向かっています」 聖子が教えれてくれた六甲道の住所を尋ねると、寝ぼけた顔で出迎えられた。 警察ですと言った途端、逃げ出そうとしたのを竹山が抑え、無事確保出来た。 車に乗せ、大阪府警に帰る間際、松波に花房医師から電話が入る。 「なんで、松波さん、あんたに頼むかな」 花房医師の言葉と態度が、竹山に刺さる。 「……さっき電話で、ちゃんと守るって、あいつと約束しましたから」
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