第4話 カタメの世界 2

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竹山をぎろりと睨んだあと、花房医師は女の子に優しい顔を作る。 「だって。この人頼りないけど、約束だけは守るから安心してね」 女の子は、竹山の方を見て顔を下に向けた。 「あ、ちょっと、竹山さん、頼んだよ」 そう言って、花房医師は診療所から出て行った。 「はい」とくり返しているのが聞こえ、電話をしているのだと思い、竹山は少し先にある顔を見る。 びくりと両肩を震わされ、傷ついた。 「……竹山弥生だ…です。兵庫県警に勤めてます」 なるべく穏やかな声を出し、顔を歪めた。 「……刑事さん? ……梅林寺さんの、お知り合いですか?」 「はい」と答えると、女の子の顔が少し緩み、がくりと両膝を床につけた。
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