第4話 カタメの世界 2

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黒い頭巾越しに、合った目。 怯えた色に、顔が緩んだ。 助けてくれと聞こえたが、気持ちのまま、引き金を引いた。 「……正当防衛だとしても、……俺は、四人も」 「竹山さん! 止めなさい!」 花房医師の声に、十年前の、イルカショーのプールから戻ってくる。 体は冷たいが、額に汗をかいているのに、竹山は気づいた。 「……竹山さん、辛いと感じた時は、いつでもここに来なさいって言ってるよね」 目の前の顔が、真剣な表情を浮かべている。 「……こんな状態で、……あいつとの約束、守れないでしょう」 竹山は、無理に顔を歪めて言った。 少しして、ぼそりと返ってくる。 「……それでも、関係を切らなかったのは、どうして?」 最近、皆に聞かれる質問。 竹山が、答えを、はっきりと言う。 花房医師は、小さな目を大きくし、顔を緩めた。
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