プロローグ

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つばさ君と初めて会った時、空から降ってきた。 中学の時の言い寄って来た(男の)先輩からトイレの密室に連れ込まれそうになっていたらしい。 そんなつばさ君と、お兄ちゃんからスカートが短いと追いかけられていた私は出会った。 「君も逃げてるの?」 「う、うん」 「じゃあ、一緒に逃げちゃおっか」 ふんわりとつばさ君が笑った。 その笑顔は、私やそこらの女の子よりも可愛くて。 思わず変な動悸がしてしまった。 この極上の笑顔のせいでつばさ君は災難だらけの日常を過ごす事になるけれど、 そのおかげで私たちは出会ったのだから、たまには良いことがあるねって、一応初めて得をしたらしい。
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