シリアスのはずがお兄ちゃんが彼氏のバックを狙っています。

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大学とかでは確かに学際に芸能人を呼ぶシステムがあるけど、流石に高校に来るとか、それって無理って話だと思うんだけど――。 つばさ君は、甘く可愛い表情でスラスラと大物ばかり名前を言った。 「麗人さんの儲けたお金を予想して、ギリギリまで予算を使えば、五人は呼べますね」 凄い、つばさ君。 お兄ちゃんの骨まで食らい尽くす容赦ない攻撃。 「よし。分かった。だが、それはお前が県一位になるのが条件だ。もし出来なかったら――」 お兄ちゃんも眼鏡の奥を光らせて、つばさ君に言った。 「俺のことを、『お兄ちゃん』って呼ぶことと、怯えた目で壁ドンさせろ!」 「……それだけ?」 「もちろんだ、俺は口先だけの男を妹の彼氏に許すわけはないからな。君なら出来ると分かっている」 「つまんない」 つばさ君の方から興味が無くなったようで、二人の緊迫した空気が解除された。 けど、別れろって言わない辺り、お兄ちゃんってつばさ君を気に入っている?
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