シリアスのはずがお兄ちゃんが彼氏のバックを狙っています。

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放課後に、教室でただ私は勉強していただけだ。 こんな風な、兄と彼氏の壁ドンが見たいわけではなかったし、つばさ君の過去の恋愛経験なんて知りたくもなかった。 二人で張り合って、私は完全に蚊帳の外だし。 知らない。もう知らない。 「あっれー? りのちゃん、今から一年の教室を順次回って英語を教えてあげようと思ってたけど?」 一年棟から飛び出した私を、リリヤ先輩が不思議そうに呼びとめた。 何で、私がリリヤ先輩に英語を教わるのが当然だと思っているのよ。 どいつもこいつもナルシストだ。 「保健室に行くの」 「……なんか麗人がした?」 「した。めちゃくちゃした。だから、もう最後の砦よ」 「ちょっと早いんじゃないかな―」 「良いの。止めないで」 「面白いから止めないけどね」 ヒラヒラと手を振ってくれたので、私は鼻息荒く手を振り返して、保健室へ向かう。
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