シリアスのはずがお兄ちゃんが彼氏のバックを狙っています。

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彼女が一言、如月祭なんて要らないと言えば、私たちの努力も水の泡になるけれど、如月祭をしたいと言えば――実行されるかもしれないもろ刃の剣だ。 生まれた時から病弱で、初孫に加えこの愛くるしい容姿。 理事長が猫可愛がりする彼女の正体は、この学校の理事長のお孫さんで。 重度の腐女子であるということだ。 「麗人さん。何をされているの?」 「げ、巫女」 黒髪をさらさらとなびかせながら、上品に巫女さんが笑う。 その笑顔を見て、――お兄ちゃんが苦虫を噛みつぶしたような顔をする。 「何をされているの?」 この状況を見て、何を言い出すのかと言いたげだが、言葉をぐっと飲み込んだようだ。 「可愛いつばさを調教中だ」 「まあ。素手で?」 ――素手で?
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