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「駄目! 私も頑張るから、つばさ君はホモになっちゃ駄目!」
「りの」
「っち」
盛大な舌打ちと、つばさ君の可愛い声は同時だった。
でも、これ以上、お兄ちゃんの思い通りに進むのは阻止したい。
だから、――頑張る。
「そうね。私も頑張りますわ。だから、三人で頑張りましょう」
ダークホースか金の卵か、巫女さんの発言も言動もどう転ぶか分からない
だから、私が頑張るしかない。
「俺にキスしたら辞めてやってもいいよ?」
お兄ちゃんが、そう嘲笑うけれど、次はつばさ君も表情を変えなかった。
「キスぐらいでキレるなんて、――本当に童貞なんじゃないの?」
クスクスと笑うつばさ君の言葉で、お兄ちゃんは校長室へ消えていく。
もう後には引き返せなかった。
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