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「りの、俺も此処に泊まるんだからさ」
「つばさ君――」
「なんか、今のりのを一人にしておけないし」
つばさ君が私の顔を覗きこむから泣きだしそうになった。
合宿という名目で此処まで来たけれど、
お兄ちゃんは私を心配して、ここに居ろと言ってくれたんだ。
一年生に、三年の全国模試の結果を抜けとか糞ドSなことを言ってきた最低最悪な野郎だけど、
でもこんな時は、--素直に認めてあげなきゃいけないのかなって思う。
今は、全国模試に向けて打ち込んでお兄ちゃんを見返して、少しはつばさ君との仲を干渉させないようにしないと。
「ねえねえ、お二人とも。部屋に荷物を置いたら、ちょっとだけお付き合いしてもらってもいいかしら?」
勉強そっちのけで、巫女さんが困った顔で提案してきたので、私たちも首を傾げる。
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