事件の裏の裏側で、呑気にテスト勉強。

4/23
前へ
/160ページ
次へ
「りの、俺も此処に泊まるんだからさ」 「つばさ君――」 「なんか、今のりのを一人にしておけないし」 つばさ君が私の顔を覗きこむから泣きだしそうになった。 合宿という名目で此処まで来たけれど、 お兄ちゃんは私を心配して、ここに居ろと言ってくれたんだ。 一年生に、三年の全国模試の結果を抜けとか糞ドSなことを言ってきた最低最悪な野郎だけど、 でもこんな時は、--素直に認めてあげなきゃいけないのかなって思う。 今は、全国模試に向けて打ち込んでお兄ちゃんを見返して、少しはつばさ君との仲を干渉させないようにしないと。 「ねえねえ、お二人とも。部屋に荷物を置いたら、ちょっとだけお付き合いしてもらってもいいかしら?」 勉強そっちのけで、巫女さんが困った顔で提案してきたので、私たちも首を傾げる。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

503人が本棚に入れています
本棚に追加