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お兄ちゃんと私は、二階から抜け出して、一階へ降りていった。
『りの、スリッパの音が五月蠅いぞ』
お兄ちゃんに注意されて、私はスリッパを脱ぐと階段の途中の端っこに置いた。
びっくりさせたくて各々のプレゼントを持って、玄関に向かうとそこには、一人の影しか見えなかった。
そして、その異変に私より先にお兄ちゃんが気づいた。
「えっと、当時の新聞には大きく報道されたんだけど、知らないよね。
私もつばさ君も6歳だったし」
「うん。りののお母さんがニュースキャスターだってのも今、聞いて驚いてる」
「……それは結構言ってるよ」
お兄ちゃんと高級マンションで二人暮らしの理由は、両親のニューヨーク勤務のせいだし、職業は同中の子なら大体知ってるし。
つばさ君のは、多分、右から左へ話が流れてたか眠ってたか。
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