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つばさ君のそのおっとりつぃた性格はもう我が道をいっているから諦めて話を進めよう。
「で、家に侵入したのはお母さんの熱烈なファンだった。よく家の回りをうろついてて、出勤時間になると曲がり角から車に乗り込む母を見てるような、――大人しい人だったらしいのだけど」
母の誕生日なのに、お祝いする様子もなく、真っ暗になった家を見て、母が家で虐げられていると思ったようで、怒り狂って侵入していた。
暗い一階で、男のハァハァと荒い息だけが響いてて、
男は鉄バットで手当たり次第に物を壊して行ってて。
時折、母や父の名前を雄叫びの中に混ぜるから怖かった。
『りの、部屋に戻るぞ。いや、鍵が付いてるお母さんたちの寝室に』
『誰だ!』
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