第1章

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雪乃「本当に…これから、生まれたの?」 零「あぁ。それより、はやく家に連れていけ。」 本日二回目の、指図です。 雪乃「あのねぇ!さっ…き…から?」 うずくまっている零君。 雪乃「どっ…どうしたの!?」 零「お前…食い物持ってねぇか?」 雪乃「はぁっ!?」 呆れる雪乃。 零「なんだっていいんだよ!!」 雪乃「わかったわよっ!」 切れる雪乃。 雪乃「はい。飴。」 零「ありがとうな。」 笑う零君。 その笑顔は、少し冷たく、何処か寂しげで、なにかがなくなってしまったような笑顔でした。 そんな笑顔にも、関わらず不覚にも、かっこいいと思ってしまう。 雪乃『胸がドキドキしてる…』 そんなことを、忘れ去るように家まで走る。 零君は、置き去りにされてしまう。 雪乃『あれ?なにか、忘れてる?』 零『許さねぇからな。』 雪乃「あぁー!零君!」 宝石だけ持ってきてしまう。 ふと思った。 持ち逃げしてしまおうか。と。 こんなに綺麗な宝石は、もう二度とお目にかかれないかもしれない。と。
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