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雪乃「本当に…これから、生まれたの?」
零「あぁ。それより、はやく家に連れていけ。」
本日二回目の、指図です。
雪乃「あのねぇ!さっ…き…から?」
うずくまっている零君。
雪乃「どっ…どうしたの!?」
零「お前…食い物持ってねぇか?」
雪乃「はぁっ!?」
呆れる雪乃。
零「なんだっていいんだよ!!」
雪乃「わかったわよっ!」
切れる雪乃。
雪乃「はい。飴。」
零「ありがとうな。」
笑う零君。
その笑顔は、少し冷たく、何処か寂しげで、なにかがなくなってしまったような笑顔でした。
そんな笑顔にも、関わらず不覚にも、かっこいいと思ってしまう。
雪乃『胸がドキドキしてる…』
そんなことを、忘れ去るように家まで走る。
零君は、置き去りにされてしまう。
雪乃『あれ?なにか、忘れてる?』
零『許さねぇからな。』
雪乃「あぁー!零君!」
宝石だけ持ってきてしまう。
ふと思った。
持ち逃げしてしまおうか。と。
こんなに綺麗な宝石は、もう二度とお目にかかれないかもしれない。と。
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