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霧島は紙コップに注がれたスポーツドリンクを一気に飲み干した。
そんな霧島を一瞥した後、
陽太が乙黒に向かって言った。
「俺たちは貴方を一応かたちとして信じてこの話をしたんです。
だから貴方も調査結果を証明してください」
「実に不思議な事件だね。
これは警察に相談しても偶然の一致として処理されるか、
もしくはその伊瀬とかいう生徒の
自殺兼集団殺人事件としか疑われないだろうね」
桜は俯いて、ぽつりと溢すように言った。
「偶然だと私も最初はそう思ってました。
そう思いたかったのかもしれません。
でもこのままだと確実にまた人が……死にます」
「……だろうねえ」
「……怖いんです、私たちは」
そんな桜から視線を外し、
乙黒は陽太と霧島に向かって言葉を発した。
「……その平森隆寛とかいう生徒、
一応警戒しておいたほうがいいよ」
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