chapter12 輪郭

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クラスメイトだから陽太の名を知っているのは当然であろう。 だが『何も知らない貴方』とはどういう意味なのだろうか。   つまり裏を返せばミカゲは 『何かを知っている』ということなのだろうか。 「ミカゲさんは何かを知っている……?」   陽太は頭を押さえ、静かに呟いた。 「なんだって?」   霧島は陽太を見つめた。 桜は陽太の背中を心配そうに擦る。 「陽太? 大丈夫?」 「あ、ああ……ちょっと頭が……」 「大丈夫か? 頭痛薬いるか?」   乙黒が陽太を気に掛けたが、 「大丈夫です」   と、陽太は丁重に断った。
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