chapter12 輪郭

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「盛り上がっているところ悪いが」   乙黒は軽い咳払いをして、 掌に頬を乗せ、 指でテーブルの隅をコツコツと叩きながら言葉を挟んだ。 「一応その資料プラスおまけで見つけた情報がある。 だが、あくまでおまけで見つけた情報だ。 そこらへんの信憑性は察してくれ」 「……はい」 「御影充の父親はおそらく既に死亡している。 母親に関して今は消息不明で、 職業など何をしているのかわからないが……」 「……はい」   陽太は軽く相槌を打った。 「なんと当時は学校の講師をしていたって話だ。 どこの学校かは知らんが」 「講師……ですか」 「それはまた僕たちに身近な仕事ですね」   考え込むように俯く陽太の隣で、 霧島が怪しく笑った。
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