chapter12 輪郭

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「あとお前らが今話題にしている妹とやらは、 おそらく現在は高校生ぐらいの年齢として考えていいと思う」 「やっぱり……か。 いよいよミカゲ妹が怪しくなってきたな」 「ほーん……まあアタシはまだよくわかんねえけど、 なんとなくお前らが言う輪郭は見えてきたかもな、ぼやっと」   乙黒がコメカミに指を当て、目を閉じて囁いた。 「当時、イジメが原因で自殺した御影充の呪いによって、 お前らのクラスで生徒が次々と死んでいる。 もしも、ミカゲ妹(仮)とやらが本当に御影充の妹ならば、 何か『審判』について知っている可能性もある…… そして神谷陽太、お前に何故か接触してきた……か」   乙黒は懐から手帳を取り出し、 転がっているペンを床から拾い上げた。 「アタシもさらに詳しく御影充とその家族について調べてみることとするよ」 「あ、ありがとうございます」   陽太は頭を押さえたまま礼を言う。 「まだ確証も無いわけだが、 一応そのお前らが気にしている 御影充の妹(仮)の名前を教えてくれ」   桜が「はい」と答えて、 差し出されたメモ用紙に漢字と読み方を綴って見せ、 そのまま口に出して告げた。 「『御影零』。 『ミカゲ レイ』さん  です」
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