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3 7月8日 同じ匂い
陽太が目を覚ましたときには
水滴に曇った窓から見える景色はすっかり暗くなり、
夜に耽っていた。
雑誌類や様々な事件の参考書が散らばる汚いソファーからゆっくりと身を起こした。
「……ここは?」
「気が付いたかー?」
飲み物を持って、乙黒が陽太のもとにやって来た。
どうやらここは乙黒探偵事務所の中らしい。
桜と霧島と共に情報を聞きにやってきた陽太だったが、
『御影零』という名前を聞いてそれから記憶が無かった。
「えっと……あれ?
どうして俺……まさか寝てたんすか?」
「んー。
寝てたってより気絶に近いけど。
……いや寝てたね、随分ぐっすりと。
人様の城でくつろぎ過ぎだよ、
少しは遠慮を知れ」
「あ……えっと、すみません」
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