全てを知る人

24/41
前へ
/316ページ
次へ
「先生、何か作戦でもあるんですか」 一応明日ついていく身としては、多少なりとも説明してもらわないと、また突っ走ってしまいかねない。 「作戦なんてないけど、きっとこのオルゴールを持っていけば話してくれる気がするんだ」 「このオルゴールに何か秘密があるんですね」 「多分、僕の推理は間違っていないと思う」 自信満々なのはいいけど、ちっとも私には理解できない。 それでもこれ以上先生に聞こうと思っても無理らしい。 何を思いついたのか、ノートパソコンを開いてカタカタと何かを打ち始めた。 こうなったら先生はどんな呼びかけにも気がつかないほど集中してしまう。 締め切りが近いと言っていたし、諦めよう。 空になったカップを下げてカウンターに戻った。 .
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2988人が本棚に入れています
本棚に追加