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1960年、夏。
セミの声がやたら暑さを強調する昼下がり。
桜川沿いを延々続く桜並木は緑に覆われて。
水辺には小さな子供が虫取り網を持って戯れる。
そんなのどかな光景とは対照的な光景を目の当たりに、出るのはため息ばかり。
いい天気だというのにアイスキャンディーを片手にテレビを眺める男が3人。
暑苦しいにも程がある。
日曜日で休みなのはわかるが、うちは時計店だから日曜日も営業中。
先代に店を任された以上期待に背きたくはない。
そんな俺の考えなんて興味もないという風にごろごろしている。
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