第1章

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「あーあ今回も全然駄目だったわ、収穫ゼロ」 「お前って意外と押しが弱いから、家に押し掛けてくるぐらいの子がいいんじゃない?」 そんなやついるか。 合コンは連敗記録絶賛更新中だ。 オレは不貞腐れて道に転がっていた石を蹴った。 「ん?」 何だかデジャブ。でも一瞬で忘れた。 「お疲れ様っす」 バイト先の居酒屋を出るともう12時を回っていた。 「腹減ったー」 コンビニ寄ろうかな。 自転車の鍵をはずそうとかがんだとき視界に黒いものが入った。 「・・・あ?」 自転車置き場に不釣り合いなこぶし大の石。 今朝もこんな石蹴ったような・・・ 違和感を感じながらも軽く足で小突いてどかす。 だが、コンビニで弁当を買って出てきたオレは震えた。 またあの石があったからだ。
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