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そんなことが続いたある日の夜。
その日は学校で例の石を見かけることはなかったので、オレは幾分ほっとして、眠りについた。
うとうとしていると、誰かがアパートの廊下を歩いている。
いや、これはスーツケースを引きずるような、ごろごろという音だ。
だれか出張からでも帰ってきたのだろう。
しかし、それにしては、不規則な音だった。
まるでだるまをころがすような・・・
翌朝、オレは玄関のドアを開けて小さく息をのんだ。
あの石だ。
あの黒い石が玄関に居座っている。
それじゃあ昨日の廊下を転がるような物音は・・・
「くそ!気持ち悪いんだよ!」
オレは半狂乱になってその石を踏みつけた。
「もうオレにつきまとうな!」
踏みつけられた石は靴の泥で汚れて、廊下を転がっていった。
いつの間に雨が降っていたのだろうか?
転がり、止まった石はまるで涙を流したかのように、濡れていた。
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