第1章

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慌てていたからちゃんと閉まってなかったのね。 そしたら中がね・・・ただの送電線じゃなかったの。 いえ、私もいわゆる送電線の中を見たことはないのよ。 でも、あれは・・・ たっくさんのキラキラしたボタンみたいなのがあってメーターが付いてたわ。 なんだか映画に出てくるみたいな。 ふふふ。 意味分からないでしょう? 私もよくわからないの。 開いた扉を見て、ベテラン風のおじさんは舌打ちしてたわ。 若い子が慌てて鍵をかけている間におじさんがこっちをじっと見ていて・・・ なんだか気味が悪かったわ。 これでおしまい。それにしてもあの子遅いわねえ。 もう帰ってくると思うんだけど。 初めて家庭教師に来てもらったのにごめんなさいね。ふふふ。 それにしても、突然訪ねて来たときは驚いたけど、あんな賢い大学の学生さんなんてね。 しっかりしてるわあ。 でもどちらかというとお役所の人みたい。 あら、お手洗い? ええ、廊下を右よ。 ふう・・・ それにしても何だったのかしらねえ・・・ あら? なんだか眠くなってきたわ。 どうしてかしら・・・ ・・・・・ ・・・・・ あら、ごめんなさい。ぼーっとしてたみたい。 ところで私さっき何の話をしてたのかしら? END
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