第1章

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そして次の日、僕はすっかり例の家のことを忘れていた。 またいつもの場所に陣取って、何気なく外を見てまた目をとめた。 焼けた家。そして白い服の女・・・。 昨日と同じ服装で同じ体勢でそこにいた。 そして次の日も、次の日も彼女はそこにいた。 僕は見なければいいのに気になってしまい、毎日その女がそこにいるかどうかを確認してしまった。 何度か直接見に行こうかとも思った。 駅から離れていないし、あの女の正体が気になる。 でも、朝は時間がないし、仕事が終わってから・・・ 夜になって行くのは気が進まなかった。 そして何日か経ったある朝、変化が現れた。 僕は窓から食い入るようにその家と女を見ていた。 何か人間らしい動きはしないだろうか。 でも、彼女は相変わらず同じ体勢でうずくまっていた。
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