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訴えるように言うと雪弥くんは私のケガを撫でた。
「こんな事してるのに?自分の事傷つけて幸せ?そんなのおかしい」
「でも……っ」
「萌はもう傷ついちゃいけないんだ」
「え……?」
「愛してる、萌」
「っ!!」
頬を撫でられてそう言われると息が詰まるかと思った。
「だからもう、自分で自分を傷つけないで。たとえ萌自身でも、好きな子の体に傷をつけられるのは許せない」
「雪弥くん……」
「約束して。もう2度とこんな事しないって」
懇願するように頭を下げられる。
雪弥くん。
私、やっぱり幸せ者だよ。
だって貴方みたいな王子様に『愛してる』って言ってもらえるんだもん。
私の事否定しないんだもん。
涙がこぼれる。
好き……
大好き……っ
「愛してる……っ」
そう言うと雪弥くんは優しく笑って、今度は優しくキスをしてくれた。
この人に出会えて本当に良かった。
2人で笑い合う。
すると勢い良く雪弥くんの部屋の扉が開いた。
「萌ちゃん!!」
「住吉さん!!大丈夫!?」
社長と雪音さんが半泣きで入ってきた。
その様子を見て私と雪弥くんは少しだけ固まってから吹き出した。
~愛してるの次の、名前~
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