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「ごめんなさい……っ」
「なんで謝るの?住吉何も悪くないじゃん」
「だって……っ。荒木くんを巻き込んでしまった……!!もっと私が上手く引き離せてたら荒木くんは皆からあんな事言われる事なんてなかった……っ!!」
「住吉……」
「ごめんなさい……っ!!今からでも遅くないから!!皆の所に言って私のこと悪く……っ」
「言わない」
「え……?」
「言えるわけないじゃん。住吉が悪く言われるの、俺が耐えられない」
荒木くんが指で涙を拭ってくれる。
どうしてこんなに私を信じてくれるの?
酷い事言った。
荒木くんに嫌われるようにした。
それなのに、どうして佐川さんじゃなく私を信じてくれるの?
「このまま仕事出来ないよな。とりあえず住吉帰れ。な?」
帰る……?
あの、雪弥くんとの思い出がある家に?
…………そうだ。
帰れないんだ……。
きっと帰れば雪弥くんも帰ってくる。
そうなればもう嘘をつけない。
すがりついてしまう。
そんなのダメだ。
何の為に雪弥くんを傷つけたの?
何の為に私はこんなに苦しんでいるの?
「嫌だ……」
「え?いや、でも住吉……」
「帰れないの……っ」
「帰れない?なんで?」
「帰れない……っ」
泣き出す私に戸惑う荒木くん。
しばらく悩んだ結果、荒木くんは再び私を抱き締めた。
「だったら、俺の家おいでよ」
「荒木くんの……?」
「よく分かんないけど、帰れないんでしょ?だったら気の済むまでいたらいいよ」
優しい言葉に、荒木くんを頼りたくなる。
本当ならいけない事だって分かってるけど、私は荒木くんにすがりつくしかなかった。
「うん……、行く……っ」
~これが彼に「恋をする」という代償~
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