637人が本棚に入れています
本棚に追加
‐雪弥side‐
昨日、萌が荒木と一緒に帰ってからずっとイライラしてる。
やたらと話し掛けてくる佐川。
普通なら、怖い思いしたならこんな笑顔で居られないだろ。
萌が佐川を傷つけるなんて、やっぱり有り得ない。
家に帰っても萌は全然帰って来なかった。
携帯に連絡しても出ない。
考えたくないけど、多分萌は荒木といると思った。
「おはようございます」
荒木がオフィスに入ってきて荒木を見る。
だけど萌の姿はなかった。
どういうことだ?
萌は荒木と一緒には居なかったって事か?
考えていると荒木が俺の隣に座った。
「荒木……」
「よっ!中村。俺、こっちに配属になったからよろしくな。あとお前に仕事教えてもらう事になるから」
いつも通りの荒木。
なんだ。
荒木と一緒じゃないのか。
安心したような、そうじゃないような感覚に陥る。
「あ、ああ……。分かった……」
そう返事をすると荒木が小声で口を開いた。
「住吉、俺の家にいるから」
その言葉に目を見開く。
やっぱりそうか!!
「でも住吉は中村と会いたくないって」
「は……?」
「中村から離れないとって言ってたぞ」
荒木の言葉に頭が真っ白になる。
萌が俺に会いたくない?
なんだよ、それ。
「あと、俺、住吉に告白したから」
「!?」
「お前から離れたがってる住吉奪っても、お前に何も言う権利ないよな?」
.
最初のコメントを投稿しよう!