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まるで夢でも見ているみたい。
叔母さんと一緒にカーペットの上を歩いて、その先に雪弥くんが待っててくれる。
ずっと欲しかった大切な友達が祝福してくれる。
誰も私を責めてない。
ここは、とても心地いい。
雪弥くんの前に立って雪弥くんと笑い合う。
「超綺麗だよ」
「雪弥くんも、凄く素敵だよ」
小声でそう言って手を繋ぐ。
その温もりが嘘でも、夢でもない事を教えてくれた。
雪弥くんのキスが、これが現実だと教えてくれた。
辛かった昔が頭を駆け巡る。
でもそれと同時に、雪弥くんと出会ってからの幸せな日々が駆け巡った。
「これからもずっと一緒だから」
「うん……」
「絶対離してやらないから」
「うん……」
「今まで強引に色々してきたけど、今じゃそうして良かったって思う。……怒ってたりしない?」
「しないよ。だって私、強引な雪弥くんも大好きだから」
「……そういう可愛い事言うとどうなっても知らないから。案外早く子供出来ちゃうよ?」
「え?」
「俺、我慢嫌いだから」
もう一度雪弥くんにキスをされてゆっくり目を閉じる。
それは、夢のような現実のお話。
優しくて強引な王子様に、これからも翻弄され続けます。
~END~
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