幼馴染みと担任と学校。

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 だからなのか、ほんの少し。  ほんの少しだけ・・・。 「・・・気持ち悪・・・」  人に、酔った。 「えぇ!?大丈夫かっ!?律!?」  両手でお腹を押さえてしゃがみ込む私にわなわなと慌て始める康介。 「・・・だい・・・じょぶ」 「いぃやっ!!全然大丈夫違うじゃん!!ほら、保健室までおぶってやっから。乗れよ」  そう言って康介は私の目の前にしゃがんで背中を突き出してきた。 「・・・いい。ほんと、大丈夫だから。・・・先行ってて・・・」 「お前置いて行けるかよ。顔色もわりぃし・・・。ほら、乗れって」 「・・・いい、マジで大丈夫」  そうこうしてる間にもそんな私達を遠巻きに見つめ、立ち止まる不安気な生徒達がちらほらと集まり始め、お陰でよりいっそうお腹の辺りがムカムカしてきた。 「やばい・・・吐きそう・・・」 「ちょーっと待てっ!!お願いもうちょっと我慢してっ!!やっべ・・・この辺何もねぇよ・・・。どうすっかな・・・」  必死に背中を擦りながら康介もその不安を隠せないでいる。  その時だった。 プップッ 「どうした、こんなに群がって。何かあったか?」  車からのラッパの音と、そんな声が聞こえた。  その声は、聞き覚えがあった。 「先生っ何年かは分からないんだけどどうもうちの高校の女子が倒れちゃったみたいで」  と、車道側にいた生徒がこの事態のあらましをかいつまんで、少々大袈裟に話していた。 「マジで!?・・・おいっ!!大丈夫か?」  歩道に寄せて車を止めて、生徒達の群れを潜り抜けてその輪の中心に駆け付けて来たのは、そうだ。やっぱり。何か聞いたことのある声だと思った。 「先生っ!!こっちこっちっ!!」  康介に呼び止められて座り込んだ私の存在に気付く。 「事故か?」 「いや、体調不良みたいなんだけど。吐くっつってて」 「車ん中に袋あっから、取り敢えず行こう」  康介からあらかたの状況を聞き終えたと思ったら、私を軽々とお姫さま抱っこで持ち上げてしまった。 「ってお前、昨日の・・・?」  そこで始めて倒れた女子生徒が昨日屋上で話した人間だったと認識したらしい。 「え?何?昨日??」 「あー、まぁ、ちょっと。んなことよりほら、南も来い」
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