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「南君は、悪くないよ・・・」
「・・・あっ・・・ごめん。だ、だいたいせっかくカナ南と隣の席になれたのに・・・あの女のせいで・・・勝手なことばかりしてさ。有り得なくない?」
「マジ死ねって感じ」
会話をしてるのは声からして三人。ついでに言うならその声は三つとも聞き覚えがあった。
「・・・そういうこと。くっだらない。こういうのがあるから教室ってめんどうなんだよね。ねえ?みんなもそう思わない?」
壁の影から出ていくと三人は明らかにしまったとでも言いたげな顔をした。
「・・・さ、笹川・・・」
「ちょ、ちょっと!立ち聞きとか趣味悪くない?」
そうだ。この感じ。
本人のいないところじゃいきがって言いたい放題言ってるくせに本人に聞かれたとたんこれだ。
そんなことなら、始めから言わなきゃいいのに。
ほんとこういうのって、大っ嫌い。
「何血相変えてんのよ。人の陰口こんなとこで言ってるほうがよっぽど趣味悪いと思うけど」
「なっなによ!腹立つ・・・」
腹立つ・・・?何言ってんだろ、この人。なに、被害者面してんだろ。
「・・・で。あんたらは一体誰に腹を立ててるの?私をつけあがらせた康介?それとも人の恋路を邪魔する私?」
「・・・あ、あんたよ!!カナはね、南のことが好きでやっと同じクラスになって席だって隣になれたのに。あんたさえ・・・あんたさえいなければ・・・」
「じゃあ何?私の隣に康介が座らなければあんたらはこんなくだらないことで怒ってないわよ・・・と?」
「・・・それ以前にあんたなんか・・・教室来なきゃよかったのに!!なんで来たの?ほんっと迷惑」
「なるほどね。なら、私が消えればそれで満足?死ねばいい?」
「な・・・何言って・・・」
ほらね、『死ね』だなんて、本当にそうしようとしたとたんこれだよ。
「だってさっき死ねって言ったよ?言った言葉には責任持たなきゃ」
「・・・も、もういこ・・・こんなのに付き合ってる暇ないよ」
三人は慌ててこの場から抜け出そうとした。
「ひっどい言い方。まあいいよ。お望み通り、消えてあげる」
「ばっかじゃないの?そんなこと・・・」
「できるよ。まあまあ、教室に戻りなよ。もうとっくにチャイム鳴ってるし。逃げたいんでしょ。どうぞ」
「・・・いこ・・・トモちゃん、ヨウコ・・・」
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