幼馴染みと担任と学校。

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side 担任の先生 キイー・・・。  ここ最近昼には必ずここへ来ていたからすっかりこの嫌な音も気にならなくなっていたはずの不協和音はやはりこんな気分の時にはどうあがいても不協和音にしかなりえないらしい。 「・・・なんで。なんで、こんなことをしたんだ、律・・・」  折角近づいたと思ったのに。隣に座って毎日昼飯食って。喋って、時には笑ってくれて。  なのにどうしてか今は、二人を隔てるフェンスの壁は始めて会ったその日よりも分厚く、高く感じられた。  それは紛れもない、俺たちの心に出来た溝。 「・・・律」  呼んだって、振り向いてもくれない。 「・・・何で、あんなものを落としたりしたんだ」  俺が、窓からすごい早さで落ちてくそれを見たとき、どんな気持ちだったか。  冗談なしに心臓止まるかと思った。  俺が、南が、どんな思いで駆け付けたか・・・。 「なぁ・・・律・・・」  それでも律は聞こえないふりを決め込んだ。 「・・・なぁってっ!!こっち向けっ!!目を見ろっ!!」  さすがの俺も、限界だった。 「あんなものって、何?」  やっと開いたその口からこぼれ落ちたのは、聞いたことない冷徹な、悲しみに満ちた、その言葉。 「ねぇ、何?」  振り向いたその顔に刻まれた、色のない表情。 「・・・り・・・つ・・・」 「制服を着たお人形?・・・違うよ。あれは人形何かじゃない。あれは、私。笹川律よ。笹川律は、たった今死んだ」 「何言って・・・」 バンッ!!  勢いよく開かれた、その扉は俺じゃない、恐らくまだ混乱する頭を、体を必死に振り絞ってここまで来た彼の制服はいつになく乱れていた。 「・・・律・・・お前・・・いい加減にしろよ・・・。ふざけるのも大概にしろつってんだよっ!!!!!分かってんのかっ!!!!!俺がどんな想いで下見に行ったかっ!!!!!分かってんのかっ!!!!!俺がどんな想いでここに立ってるのかっ!!!!!分かってんのかよっ!!!!!」  荒く尖ったその声は、この静かな屋上一杯に響き渡った。 「・・・ねぇ、康介。律はもう、ここにはいない。・・・いないんだよ」 「お前まだそんなこと言ってんのかよっ!!!??いい加減にしろっつってんだろっ!!!!!」
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