幼馴染みと担任と学校。

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「・・・あははっ、あはははっ!そうだねー。ちーとおふざけが過ぎたかなって思ってる。少しびびらせてやりたかったんだよ。バカな女の子達に。どう?あの人達、驚いてた?悲鳴上げたりなんかしちゃったりしてね。そんなのって、ウケるよね」  『あの人達』?それが誰のことなのか、詳しいことは分からなかったけれど、恐らく俺のクラスの誰かだろう。  そこまで言って律はそのフェンスの向こう、塀の上に立ち上がった。 「・・・ちょっと、驚かせてやりたかったんだ。それだけで、良かった。あいつらがそれで懲りると言った。あいつらがこうなることを望んだから。だけどやっぱりやーめた。こんなのつまんないよ」 「・・・律、分かったらさっさとこっちこい。ちゃんと、詳しい事情を話すんだ」 「私ここで考えてた。あのお人形を落としながら考えてた。・・・17年、生きた私はもう十分だと思うんだよね。誰にも望まれずに産まれたの。康介の言う通り。ここって全部見えるんだ。あの時は何も見えないと言ったけど。あれ嘘。ちゃんと見えるの。あの家も、あの家も、今住んでるところも。こうしてここから見ていたら、分かっちゃった。ーーー」 「律、お前何言って・・・」  俺には分からない。律が何を言わんとしているか。  だけど・・・。 「・・・もっと早くにこうすべきだったんだよ」  何をしようとしているのかは、痛いほど、分かってしまったから。 「律っ!!・・・律っ!!!!」  必死に祈った。  届け、届けと祈り続けた。  君を守りたくて、そんなの嫌で、伸ばし続けた手のひらは始めて見せた君の涙に触れることなくただただ宙をさ迷った。  君のいた場所にさ迷い続けた。 ーーー律・・・。
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