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「人間っていうのはさ、欲望にまみれてる生き物じゃん。だから別にそれに恥じる事なんてないわけ。だからさ、山下さんもそのままでいけばいいんだよ。別に嫉妬なんて恥ずかしい事じゃないし、俺だって彼女年上だけど、全然するし、それが普通だと思ってる。それに、年下彼氏の嫉妬は可愛いらしいからさ、それを利用する手はないでしょ。まあ、頭良い人だからすぐ見抜かれちゃうんだけどね。」
何をつらつらと語ってんだよ。お前の彼女完全にお前が落としたようなもんだろ。
「森川君も頭良いよ。」
「いや、俺はどっちかというと努力派だから。めっちゃ徹夜するしね。それに暗記もの結構山張ること多いし。彼女は天才的っていうか、生まれつきなんだよ。それが羨ましい。」
「でも、山が当たるって凄い事だと思う。」
妙に褒めるじゃん。俺夕に褒められた事あったっけ?全然ないんだけど…あ、おいしいパン見つけてくるの上手って言われったっけ?日替わりパン、今日は売り切れてませんように。
「山下さんもさ、結構成績上位じゃん。何でそんなに自信ないの。」
「みんな頭良いから。」
「このクラスは意外と頭脳明晰タイプ多いかもな。一点集中型っていうかさ。前もそうじゃん。合唱コンクールさ、全然練習してないのに本番完璧で3位だったし、それってクラス全体が自然とそういう力引き寄せてるってことだろ?先生も言ってたしな。“お前らの成績が俺を潤すんだ。この調子で頑張るんだ!”って。あれ絶対嘘でしょ。でもクラスの半分は信じて素直に勉強しちゃうんだよな。この学校にしては珍しいっていうか、だから他の先生達も空き時間にたまに覗きに来てるんだぜ。山下さん知ってた?」
「え、知らない。あ…」
「ん?どした?」
「目にゴミかも…あ、違う、これ花粉だ…誰か外から帰ってきたかも。」
花粉?俺か?でも俺がここにいるのは大分前だし、それに花粉なんて付いてるわけ…
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