第1章

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彼に会う前に、中部支社へ挨拶を兼ねて人事と物件を決めに行くことになった。 実家から近く、通勤しやすい場所で大体の目星をつけてもらっておいたので、一日効率良く回り数軒の物件を内見した後、一番条件の良かった部屋にその日のうちに決定した。 家も決まり、本格的に地元に戻ることが目前となってきた。 母にはその日、実家に帰ると事前に連絡してあった。 夜、数年ぶりに実家に帰った。 母は、沢山の手料理を用意して待っていてくれていた。 元々、料理は上手な人だった。 私が好きだった好物を並べてくれていた。 ちょっと歳を取ったが、姿形は昔と変わらず顔色も良く元気そうだった。 二人っきりで実家にいることが不思議で最初は落ち着かなかったが、二人でビールを飲んで少しずつ会っていなかった頃の話しをした。
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