第1章

14/43
前へ
/43ページ
次へ
母は特別変化がない生活を送っていたらしく、私の東京での話しを聞きたがった。 それは当たり前のことだと思う。 二十歳から家を出て、何年間も帰らず音信不通だった。 年頃の娘が知り合いもいない東京で何をしていたのか、気になるのは親として当然のことだろう。 東京は物価が高いから、生活ができていたのか心配だったらしい。 入社してからずっと同じ会社で社員として働いて、いまはそれなりのお給料をもらっていることを伝えた。 夜バイトしていたことは、伏せておいた。 久しぶりに母と会い、話しをしながら考える。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加