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彼は特殊な職業だった。
周りに同じ職業の人はいないので、彼の仕事の話はすべて新鮮で、聞いていてとても面白かった。
元来、話し上手でユーモアのある彼だから、彼と話す人は誰でも引き込まれると思う。
いつもの様に盛り上がってしまい、彼に切り出すタイミングを見失う。
このまま帰ったら、何のために今日デートしたのか。
期間は、もう残り僅か。
今夜、きちんとケリをつけないと。
一瞬、間が開いた。
「私、地元に帰ることになってね。」
彼は、いままで見たことのない顔をした。
「嘘やん?」
あんなに話が弾んで盛り上がっていたのに、いきなりシリアスな情況に急変させてしまった。
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