第1章

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ナナが中学三年生の受験を控えた、冬のある日。 家に帰ったら、弟が玄関の前で寒そうにランドセルを背負ったまま、ナナの帰りを待っていた。 いつもだったら子供たちが学校から帰る前に、パート先から母が帰宅しているので、家の鍵が開いているはず。 ナナがたまたま合鍵を持っていたので家に入り、電気を点けたが、電気が点かない。 時計を見たら17時だった。 17時を過ぎても母は帰って来ない。 様子がおかしいと感じたナナは、水道とガスが供給されているか確かめる。 思った通り、水道は水が出ず、給湯器は点かなかった。 ここで異変に気付き、父の職場に電話をし状況を説明する。
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