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しばし黙り込む彼。
彼はいまどう思っているだろう?
こんなわけのわからない面倒な女に捕まって、やれやれと呆れているだろうか。
沈黙に耐えられなくなり、なぜ、地元に帰ることになったかを下手な言い回しで説明しはじめた。
生い立ちから簡単に。
なぜ、上京したか。
これは言おうか言いまいか迷ったが、きっかけと言うか決定的な出来事はやはり割愛できなかったので、2丁目での不思議な体験を話した。
その後、事態は一変し、急遽地元へ転勤が決まる。 ← 現在ここ。
という所まで、箇条書きにできるぐらい簡潔に話した。
彼は、話し終わるまで真剣に目を見て聞いてくれていた。
「止めても無駄やんなー。もう決まってるんやろ?」
彼らしくない、固い表情で言われ、私はなんという残酷なことをしているんだと自覚した。
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