第1章

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何も弁解する余地なし、彼には謝ることしかできない。 「ごめんね。」 彼は、これ以上言葉が見つからないといった様子だった。 私に対して気持ちが冷めたような素振りだった。 そう思わせたのは自分。自業自得。 別れ際、彼が絞り出したように、 「また連絡するわ。」と言った。 私の一方的な報告のみで、彼の気持ちは一切わからず、私たちは別れた。 どーんと重たい石が体に入って、落とし穴に落ちたような気分だった。 家に着いてから、何もする気になれずコートも脱がず、ただベッドに座って彼との日々を回想していた。 何てことをしてしまったんだ。
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