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架純ちゃんと知り合ってから1年位はよく一緒に走ったり、仕事で山梨に来た時には、
「ヒロさんちの側通るんで寄りますよ~」
なんて言って突然遊びに来たりしていたんだ。
ただ、とにかく忙しい娘で、毎週イベントだフリーマーケットだ取材だと、スケジュールが空いている事の方が少なかったから、徐々に一緒に走る機会が減ってきた。
また、障害のある動物達の面倒を見ていたから、泊まりがけのツーリングにも行けなかったし、度々開催している俺の自宅に泊まり込みのBBQや宴会にも参加出来なかったんだ。
段々皆も連絡を取らなくなり、徐々に疎遠になっていった。
ただ俺だけが、
『この娘は放しちゃいけない』
と感じ、連絡を取り続けていたんだ。
ツーリングの度にダメ元で誘う俺に、
「ヒロさんが毎回声を掛けてくれるのがスゴく嬉しい」
と言っていた。
「都合が合えば必ず参加するので、また声を掛けて下さいね!」
と言っていた。
俺が架純ちゃんとの縁を大事にしたのは美人ちゃんだったから?
女好きな俺だけど、そうじゃない。
あのライフスタイルや人脈を目の当たりにし、憧れみたいな部分もあったが、何より、何かしらの形で将来世話になるかもしれない、という予感があったんだ。
そして、その予感は間違っていなかった。
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