The Cool

9/11

300人が本棚に入れています
本棚に追加
/162ページ
次の日、架純ちゃんにBオートの報告をした。 「あの社長は俺には合わないみたい。 車も最低で500、600らしいよ。 しかもピカピカで、ノスタルジーっつーの? そういうのが無いんだよ… 俺は多少ヤれてても、当時の雰囲気が残ったヤツに乗りたいんだ。 ハーレーみたいに壊れたら直すって感じでいいんだけどなぁ……」 「分かります! ヒロさんには絶対そっちの方が似合いますよ! Bオートは安心して乗れる新車を売るっていうスタイルなんでしょうね。 でも大丈夫です! 300でそこそこ乗れるっていう個体もありますから。」 Bオートの社長の話の中でも参考になる所はあった。 初代カマロは現在でも非常に人気が高い為、プラットホーム(シャーシ)さえ有ればアフターパーツで新車が1台組める程マーケットが充実しているという事。 逆に、既に発売から50年近く経っている為、オリジナルの車輌が現存している可能性は極めて低いという事。 万が一そんな車輌が見つかったら、とんでもない値段が付くという事。 アメリカで探して引っ張って来る事も出来るが、見つかるまでの社員の渡航費、滞在費は実費で依頼主が払わなければならないという事。 また、必ず見つかるという保証も無く、見つからない場合でも、かかった費用は取られるという事。 更に、現在は円安が進み過ぎている為、輸入では現実的な値段では買えないという事。 5、6年前までなら300万で買えていたが、現在の相場は500万~であるという事。 確かにネットで見る限り、売りに出ているのは全て500、600、700、ASK。 中には1、200万などというバカげた車輌もあった。 しかしそれはレア物のオリジナル車ではなく、アフターパーツで組まれたほぼ新車という、俺の趣味には合わない物だった。 「俺のカマロ、ホントに見つかるのかなぁ……」 .
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

300人が本棚に入れています
本棚に追加