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次の日、架純ちゃんにBオートの報告をした。
「あの社長は俺には合わないみたい。
車も最低で500、600らしいよ。
しかもピカピカで、ノスタルジーっつーの? そういうのが無いんだよ…
俺は多少ヤれてても、当時の雰囲気が残ったヤツに乗りたいんだ。
ハーレーみたいに壊れたら直すって感じでいいんだけどなぁ……」
「分かります!
ヒロさんには絶対そっちの方が似合いますよ!
Bオートは安心して乗れる新車を売るっていうスタイルなんでしょうね。
でも大丈夫です!
300でそこそこ乗れるっていう個体もありますから。」
Bオートの社長の話の中でも参考になる所はあった。
初代カマロは現在でも非常に人気が高い為、プラットホーム(シャーシ)さえ有ればアフターパーツで新車が1台組める程マーケットが充実しているという事。
逆に、既に発売から50年近く経っている為、オリジナルの車輌が現存している可能性は極めて低いという事。
万が一そんな車輌が見つかったら、とんでもない値段が付くという事。
アメリカで探して引っ張って来る事も出来るが、見つかるまでの社員の渡航費、滞在費は実費で依頼主が払わなければならないという事。
また、必ず見つかるという保証も無く、見つからない場合でも、かかった費用は取られるという事。
更に、現在は円安が進み過ぎている為、輸入では現実的な値段では買えないという事。
5、6年前までなら300万で買えていたが、現在の相場は500万~であるという事。
確かにネットで見る限り、売りに出ているのは全て500、600、700、ASK。
中には1、200万などというバカげた車輌もあった。
しかしそれはレア物のオリジナル車ではなく、アフターパーツで組まれたほぼ新車という、俺の趣味には合わない物だった。
「俺のカマロ、ホントに見つかるのかなぁ……」
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