300人が本棚に入れています
本棚に追加
/162ページ
Rラインには仕事の都合を付けて遊びに行くと伝えてあったが、4月には風花と颯が共に家を出て一人暮らしを始める事が決まっていた。
その為、2人分のアパート探し、引っ越しの準備や買い物などで暇が無かった。
また、十分に用意したはずの資金も見る間に目減りしていく。
風花には高校時代からバイトをさせ、小遣いを渡した事が無かった。
更に、専門学校へも奨学金を借りさせて自分の借金で行かせたんだ。
同じように、颯にも高校野球を引退した時からバイトをさせた。
今から自立する子供達に、最後の、せめてものプレゼントとして取り敢えずの家具 家電と、当面の生活費として10万ずつを渡した。
更に、韓国ドラマとスポーツ中継が大好きなお袋に、今までよりも大画面のテレビと小遣い20万。
暑いのが苦手なひとみの為に茶の間にもエアコンを設置し、以前から欲しがっていたHDDレコーダーを購入。
俺は今から大きな無駄遣いをする。
せめてもの罪滅ぼしと口封じだ。
俺には大きなあぶく銭が入っても貯金をするという発想がない。
生活費は仕事で稼いでいる。
なら、あるうちに使っちゃえ、という考えだ。
そんな俺は、ささやかだが日本経済の発展に寄与しているのではないか？
まぁ、ろくでなしの戯れ言には違いないが……
.
最初のコメントを投稿しよう！