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この時点でも松下さんには直接会ってはいなかったが、連絡だけは密に取っていた。
松下さんはイーグルの社長と仲が良く、度々店に遊びに行ったり電話で話しているようだった。
そして、俺が68カマロを探している旨を詳しく説明してくれていたんだ。
『生まれ年の68カマロ限定、SSモデル、AT、出来れば黒。
生涯最後の1台を探しているらしい。
非常に礼儀正しい人です。』
俺は顔の見えない、しかも世話になる、なっている相手には非常に礼儀正しい。
これは見た目だけで損をしてきた俺が身に付けた処世術だ。
会った瞬間に『騙された!』と感じるらしいが俺には関係ない。
会う前に引かれるよりマシだ。
また、架純ちゃんも時々はイーグルに顔を出すようだった。
架純ちゃんのイーグル社長評は、
「とにかく腕は良いし安くやってくれます。
ただ、スゴくおっとりしていて仕事が遅いのが難点かなぁ。
信用は出来ますよ!」
俺はそれを聞いて、
(おっとりで仕事が遅い?
昭和23年創業って言ってたよな?
もしかしてとんでもないおじいちゃんか?)
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