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俺は社長とは初対面だったし、電話ですら話した事は無かった。
しかし、社長は穏やかな笑顔で言ったんだ。
「松下君から全部聞いてますよ。」
そして、まだ話した事も無い俺の為に、今までに売った68カマロのオーナー20数人全てに、手放す気は無いか電話をしてくれていた。
「自分が売って現在も面倒を見ている車輌なら100%の自信があるんですけどねぇ…
ただ、皆さん大事に乗ってくれてるみたいで…」
「そこまでしてくれてたんですか!?」
俺は嬉しかった。
しかし、社長は更に俺を驚かせる事を言ったんだ。
「もし譲ってくれる人がいたとして、やっぱり現在の相場だと300じゃキツいですよねぇ…
いくら位ならイケそうですか?」
「いえ、矢沢さんの予算は300万と聞いてますから、300で収めるように交渉してますよ。」
俺は嬉しさを通り越して感動していた。
(この人は商売抜きだ!)
きっと社長は心の底からアメ車が大好きなんだろう。
アメリカのクラシックカーの素晴らしさを皆に味わってもらいたいんだ!
俺は全てをこの社長に任せようと決めた。
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