Cinderella Liberty

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そして翌日、社長から着信。 「ちょっと問題が起きまして……」 (やっぱり……) 「明日買いに行くと伝えたら、『書類が揃ってないから来られても困る』という返事で…」 俺は大阪の業者に激しい怒りを覚えた。 値段を付けて売りに出しておきながら、金を持って買いに行くと伝えたら「来られても困る」とはどういう事だ!? 社長は更に続けた。 「様子がおかしいので、先方の社長には内緒でメカニックの方に電話を繋げてもらったんです。」 その瞬間に、あの悪い予感が当たったんだと確信した。 「メカの方が言うには、広告通りのような良い状態ではないみたいですね。 (エンジンの)ヘッドが左右で違うみたいですし、シリンダーの中にスラッジ(金属粉)がかなり溜まってるみたいです。」 (最低のショップだな……) 「あと、既に今の状態で広告を出し続けて3年位経つみたいです。 名義も元のオーナーのままみたいですし。」 俺は怒りを通り越して呆れてしまった。 危うくとんでもないカスを掴まされる所だった。 「社長、色々言ってすみませんが、あの車輌は諦めます。」 「いや、書類が揃ったという連絡があり次第行ってみますよ。 とにかく自分の目で確認して、ボクの手で何とかなるレベルなら引っ張って来ます。 ただ、あまりこちらから催促すると金額的にも足元を見られるのでじっくり待ちましょう。」 「いや、ボクも性格的に相手の言いなりになるのは我慢出来ないので… あの車輌は諦めます。」 社長はそれでも『待ってみましょう』と言ってくれた。 無駄足の可能性が高いにも関わらず大阪まで行くつもりの社長に感謝した。 ただ、社長への感謝とは別に、俺には打算があったんだ。 (こりゃいつ見つかるか分かんねぇな… でも、俺は既に400万の金を社長に預けてある。 社長も次の候補を一生懸命探さない訳にはいかねぇだろ!?) .
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