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そして5月14日。
ひとみはどうしても仕事を抜けられないという事で、東京まで俺1人で行く事になった。
そして出掛ける直前に、毎日の日課である姫(犬)の散歩に行ったんだ。
いつもの草むらの脇を通った時の事だ。
その草むらの中から、見た事も無い大きさのアオダイショウが這い出て俺の方に向かって来た。
誇張ではなく2メートル近くはあっただろう。
動物園で見る以外、俺が初めて出会った大きな蛇だった。
蛇が大の苦手な俺は、この時期いつもズボンの後ろポケットに差してあるガスガンを乱射した。
漫画みたいな話だが、この散歩コースには5月になるとマムシが出始める。
何年か前には姫が咬まれたんだ。
それからは常にガスガンを持って散歩していた。
マムシ以外を撃つ事は無いが、この時はあまりの恐怖で、向かって来るアオダイショウに向けて打ちまくったんだ。
しかし、至近距離にも関わらず、何故か全く当たらない。
蛇はどんどん向かって来る。
結局24連発の20発程を乱射し、最後の1発が尻尾の先に当たったんだ。
その瞬間我に帰り、撃つのを止めた。
そして大きなアオダイショウは俺の脇を抜け、何事も無かったかのように逆側の草むらに消えて行った。
それからイーグルに着くまで、俺はその出来事をずっと悔やんでいたんだ。
マムシしか撃たないと決めていたのに、いくら恐怖心からだとしても害の無いアオダイショウを撃ち、尻尾とはいえ命中させてしまった……
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